「報酬」から業界の仕組みを知っておこう!をお伝えします。
こちらのページは、住宅不動産の業界歴25年、
2000人を超える不動産売買の相談に関わり、
「自宅マンションを高く売る方法」の本を執筆をした
マンション売却の専門家である関谷健がお送りします。
「不動産業界の仕組み」
これが分かれば、色々なものが見えてきます。例えば、あなたの目にしているチラシやスーモなど、身近な、不動産の広告の「?」が分かってきます。疑問が明らかになるのが分かりますよ!
さて、最初の入門編は、
目次
不動産の仲介手数料
不動産屋に支払う「報酬」の仕組みをお伝えします。
仲介手数料の上限は法律で決まっています。
売買価格×3%に6万円、これに消費税です。これはご存知の方も多いと思います。
この金額を、あなたは、成約したら不動産屋に支払います。でも、ちょっと待ってください。
あなたは売る側の立場です。
買う側にもお客様と呼ばれる人がいますよね!
そうなんです。買う人も物件価格×3%に6万円を支払います。
つまり、
つまりですよ!
1回の売買で、約6%のお金が動くのです!
あなた3%
買う人3%
このような報酬体系になっています。
もう1回言いますね。
1回の取引で3%+3%=6%の報酬が動きます。
仮に6000万円の物件なら
3%で180万円
6%で360万円です。
ここで重要なことは、
売手側と買手側が、それぞれ報酬を支払う
という事を忘れないでください。
この「それぞれが、報酬を支払う」という事が、
不動産屋の悪く言われてしまう原因として、何度も出てきます。
ここまで、よいでしょうか。また違う話を始めます。
双方代理が許される国、日本…
双方代理…耳慣れない言葉ですね。
売手側の代理人
買手側の代理人
この、両方の代理人をする事を双方代理といいます。
何と!
この両方の代理をする事を、日本では許さているのです。
他の国では、絶対にダメです。認められていません。
アメリカもフランスもドイツも
どこの国も、不動産の双方代理は認めていません。
何故か。
売手と買手は、利益が相反する立場だからです。
売手は高く売りたい、買手は安く買いたい。
売手は、引渡しを1ヶ月以内にしたい、買手は、3ヶ月間欲しい。
など、利益や条件が反します。
裁判に例えると、分かりやすい。
裁判で争っているAさんとBさんの「弁護士が同じ」だったら、
AさんとBさんは、その弁護士が100%味方になってくれるでしょうか。守ってくれるでしょうか。
100%全力で守ってくれませんし、守れる立場ではないですよね?
だから日本の不動産取引はアンビリーバブルですし、ステイタスが低くなるんです。宅地建物取引士の資格を持っていなくても仕事ができますからね。会社で5人に1人だけ持っていれば。
で、
この「双方代理が認められている事」と、前述の「売手と買手が支払う報酬」とが、不動産業界のドロドロを引き起こしているんです!
双方代理をここでは覚えておいてください。
業界の仕組みが、売却価格を下げる!
別の記事で、売却価格を下げる原因(高く売れない)は、不動産会社や営業の「得手、不得手」という話をしました。マイホームの売買が得意か否か。経験はあるか否か。そんな観点でお伝えしました。
今回は「業界の仕組み上、高く売れない」理由をお伝えします。
結論は、 前述した
1、売手と買手が、それぞれ報酬を支払う。
2、双方の代理(仲介)ができる。
この2つです。
営業マンが、一番儲かるのは、売手と買手と両方の代理人(仲介)になること。両方から報酬が得られるからです。
(これまで、大丈夫でしょうか。ついてきていますか?)
だから、あなたから売却の依頼を受けた営業マンは、そのまま自分だけで買手を探します。
両方からお金がもらえるからです。
この「自分だけ・自分の会社だけ」で買手を探す事が、一番儲かってしまう事が、高く売れない原因の1つです。
イメージしてください、想像してください。
「自分だけ・自分の会社だけ」の商圏。いくらネット社会といっても、狭い狭い世界です。
この「自分だけ」で売ろうとする悪行を業界では「囲い込み」という言葉で表現します。
(囲い込みに関する記事は、こちら)
アメリカなど、双方代理が許されない国はどうしているのでしょうか。
自分では、買手は探しませんので、自分が「販売窓口」になり、情報を解放して「全米」の不動産会社が買い手を見つけられるようにサポートします。
素晴らしくも、当たり前な仕組みです。
これが、私の理想であり、実際に実施している事です。
さて、
とはいえ、日本でもアメリカような仕組みがあり、それを使うように言われています。
それが「レインズ」という業者間ネットワークです。
これを利用する事は、法律で定められているのですが、なかなか「囲い込み」はなくならず、あなたの不動産の売却範囲が、全国、全不動産という広い商圏で勝負されず、ある会社のネットやチラシだけという、狭い商圏だけで販売されているかもしれません。
アメリカのようにならない理由が「儲かるから…」しかない事が、ガッカリです。
日本では、双方代理が認められており、売主買主の両方から報酬ももらえるので、他の不動産会社が買主を見つけると、報酬が片方になってしまうという発想になってしまっています。
これが、情報を開放しないで、多くの人に物件情報が伝わらない原因です!
お分りになりましたでしょうか。
囲い込みを防ぐには
基本的にあなたが「囲い込み」を防ぐ方法はありません。
数年前にマスコミが暴露し、各社が反省している事を信じましょう。
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今まで、囲い込みに対する特別な即効薬はありませんでした。
ですが、不動産取引の透明化を目指す当社は、この「囲い込み」を防ぐ「第3者チェックサービス」をはじめました。
この囲い込みのチェックに関しては、当社が提供している「売却パートナー」のサービスの一部になっていますので、こちらからご覧ください。 クリック→売却パートナー
こちらのページは、住宅不動産の業界歴25年、
2000人を超える不動産売買の相談に関わり、
「自宅マンションを高く売る方法」の本を執筆をした
マンション売却の専門家である関谷健がお送りしました。
文責:宅地建物取引士 関谷健