「不動産価格が上がっている!ピークかもしれないから売りたい」
この動機で売却する事を、関谷があまりお勧めしない理由をお伝えします。
「首都圏・東京エリアのんマンションの価格が高騰しているから売却を検討している」
「価格が下がる前に売った方がよいと思う」
このような相談が増えてきました。
特に子育てを終えた中年・年配のご夫婦や、第2の人生を模索する人に多いように感じられます。
これをきっかけに人生設計やこれからのライフプランを考え直す事は多いに賛成しますが、価格面・お金だけを理由に売却する事は(絶対ではないですが)良い選択ではないと関谷は思います。
今回は、その理由の一部をお伝えしますが、特に下記の内容に当てはまる人は、お金以外の「別の動機・理由」がない限り、売らないか・賃貸で不動産活用をする方がよいでしょう。
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目次
1、築年数が古くなると価格が下がると思っている。
物の値段が年々あがるように、マンションの価格も同じように上昇します。一般的な物や、日本の木造住宅と違い、マンション、特に東京のマンションは古くなれば価格が下がるものではありません。
最近の不動産価格の推移を見れば分かりやすいですし、マンションを持っている人であれば、同じマンションの売却チラシが入り、価格が年々上がっている実感もあることでしょう。
10年経てば、築年数が10年古くなりますが、価格は下がったでしょうか。年々下がるどころか、上がり続けています。
不動産価格にも連動しやすい日経平均も4万円を超え、企業の業績も底堅いニュースが流れ、インフレが加速する事も考えられます。冒頭にお伝えしたように物の値段があがれば、不動産の値段も上がりますので「古くなれば安くなってしまうもの」という考えを変えた時に、本当に売却したいのかを改めて再考してみましょう。
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2、不動産価格が過熱しているのでチャンスだと思っている。
東京に限らず全体的に自宅マンションを含めた不動産価格は上昇し続けています。
「今がピーク!だから売るチャンス!」という売却を煽るような情報が後を断ちません。
果たしてそうでしょうか。将来の東京エリアの市場性は誰にもわかる事ではありませんが、過去のITバブル、リーマンショック、コロナショックなどを参考にするのも一つの手だと思います。
ITバブルでは1年〜2年、リーマンショックで2〜3年、コロナでは半年で東京のマンション・不動産価格は元に戻り、その後は一転、上昇が続きました。
結果、不景気前に売った人がよかった訳ではなく、3年経過後であれば、更に高く売れた事になります。目先の利益に走らず、そのまま住み続けたり、賃貸にしたりする事で、資産価値があがった事になります。
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3、価格が下がったら、もったいない。
過去の不景気で不動産価格、東京のマンションか価格はどれくらい下落したのかを知っておくとよいでしょう。下落率は10〜15%前後でした。
平均的な23区の中古マンション価格5000万円の場合で、下落の底で4500〜4250万円、約600万円ダウンです。もしその人が、仮に売却物件近くで、18万円の賃貸を借りた場合を考えて単純比較してみます。
期間は3年間(過去の不景気で、不動産価格は遅くとも3年以内には元に戻った為)で計算すると、家賃で648万円、更新料・礼金が各々1ヶ月として36万円、売却諸費用が160万円で、合計約850万円となります。
プラス600万円とマイナス850万円。高く売れたと思っても、3年も経過しない内にマイナスになってしまったということです。
お金だけを理由に売却し、割と同じような首都圏エリアで賃貸で生活することは、お金面だけではお勧めできない事が、少しご理解いただけたと思います。
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4、不動産会社に相談したら、やはり同じ意見!
不動産会社の営業マンは、まずこのように質問します。
営業マン「なぜ売却しようと思ったのですか」とあなたの不動産知識のレベルを把握します。
あなた「今はマンション価格が上がっているし、古くなると価値が下がってしまう。下がる前の今がチャンスなので、この機会に売った方がよいと思った」
営業マン「その通りです。よくご存知ですね。下がる前に早く売却を進めていきましょう」
あなた「やはりそうなのですね。よろしくお願いします!」
営業マンと相談をする事は悪い事でないですが、同じ意見で喜んだり、安心したりしてはいけません。
営業マンはあなたの将来や、今後あなたのマンションの価格が実際にどう推移するかは興味はありません。そう思って、彼らとの相談に臨んでください。
営業マンは「ただ売りたい、それだけだ」と思うだけでも、客観的に営業マンの心情が見え、舞い上がる事もないでしょう。
上記の1〜3のような、東京エリア(川崎市・横浜市・さいたま市・市川市・千葉市など)の価格は下がらない可能性が高くある事も想定しながら、一緒に考えましょう!という営業マンがいる事は考えにくいものです。
あなたの知識や理解が、営業マンの利益になる内容と近ければ、オウム返しのようにあなたに賛同して、売却を勧めることでしょう。
ですから価格が高いうちに売りたいという売却相談は、コンサルや深い相談事になりにくいので、注意が必要です。
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理由のまとめ
東京や東京の周辺エリアのマンション高騰が続き、売ることに興味を持つ人が多くなりましたが、本当に高騰なのでしょうか。
日本の人口が今後少なくなり、需要と供給のバランスで自宅マンションも価格がさがる?本当でしょうか。
あなたの市区町の将来の人口動向予測を調べてみましたか。東京エリアは、まだまだ人口が増え続ける調査結果が多くあります。
住宅ローンの変動金利が上がる事で不動産価格が下がる?本当でしょうか。
給料のベースアップが今後続けば、適切な金利上昇とも考えられます。仮に月に1万円、夫婦で2万円の世帯収入が増えれば、今の金利で換算すると(35年変動ローン)6〜800万円は上がっても家計の負担は変わらない事になります。多少の住宅ローンの金利上昇でも、マンション価格の下落は耐えられそうであり、金利が上がっても受容できる状況になっていると考えらないでしょうか。
不動産はインフレにともない価格があがります。古くなってマンション価格が下がる影響はゼロではないでしょう。しかし、それ以上の魅力が東京や首都圏の不動産にはたくさんあります。つまりは、価格が下がりにくいのです。現在はマンションの価格が高いのではなく、登り基調の通過点と考えた時に、売りたいかどうかを考える視点が必要です。
私の予想は「今後も価格は下がらない。仮に不景気が来ても2年で元に戻り、更に価格は上昇する」です。
私が正しいという話ではなく、この意見が仮に正しいとしたら、あなたはどうする?という思考の幅を広げたいという想いです。
全国を対象にし、広く情報発信するユーチューブ・書籍・テレビなどは参考にしてはいけません。あくまでも、あなたがいる日本の人口の2割の首都東京という特殊なエリアで不動産がどうなるかという、オリジナルで局所的な情報を仕入れる必要があります。
一番は不動産会社に相談する事ですが、正しい情報を提案してくれない事も想定し、色々な種類の不動産会社と相談していきましょう。大手・地元・賃貸メイン・紹介・私関谷などです。セカンドオピニオン、サードオピニオンを聞き、あなたの不動産情報を多角的得てから、人生プランを計画していきましょう。
高騰してそうだから売りたい!に適して言える事例
最後に、高いから売りたい!も良いかなと思う例としては、
- 1、まとまったお金が必要になった人
- 2、今のマンションが嫌な人(手狭・人間関係など)
- 3、次の暮らしがワクワクしたい人
- 4、同じ東京エリアでなく、家賃や不動産価格が安いエリアに移住したい人
- 5、災害リスクなどが不安で仕方がない人
- 6、投資運用が得意な人
- 7、3年以内に売却しようと思っている人
でしょうか(絶対ではありません)
金銭面だけで売るのではなく、他の理由、特に感情面を大切にしてほしいと思います。
ローンが終わっている人は賃貸にするのもお勧めです!
文責
宅地建物取引士・株式会社関谷健不動産販売
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代表取締役 関谷健
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