売却プランナーの関谷健です。
売却プランナーと言いながらも、実際に売買をしている仲介業者でもありますが、その経験を踏まえ、2020オリンピック前後には自宅不動産を売却したい人に向けてメッセージを送りたいと思います。
目次
価格のピークは過ぎている
ITバブルや、リーマンショックという分かりやすい価格の下落でない時に、不動産の価格が下がりました。それはアベノミクスと呼ばれる前、オリンピックが決定される前です。そこで一度価格が下がった経緯があります。その時に感じた事は、価格のピークというものは、過ぎ去った後にあそこだったんだなと思い返す事になります。
そんなピークを思い返しても良い時期に来ております。昨年のゴールデンウィークがピークだという人もいれば、2019年の秋あたりがピークだったという不動産関係者もいます。しかし「ピークはこれからだ」とか「ピークは続いている」という人は本当に少なくなりました。つまり価格は実態よりも下がってきていると考えて良いと思います。
査定は過去の成約
今、査定などを参考にして売却をしている人もいれば、今、査定を出してもらっている人もいると思います。ただ査定は過去1〜2年以内の成約事例をベースに算出しますので、今では、少し前のピークや勢いのある時代の数字とも言えます。
また、未だに査定を出す場合に、営業マンによっては、今後も価格が伸びていくような高い査定額を出して「売却を依頼されたい!」と思っている不動産会社もおります。時代が、その高い査定額に追いついて成約になることもありましたが、今それをしてしまうとお客様も不動産屋も互いに首を締め合う事になるでしょう。お客様は、売れてもいない数字に期待し、営業マンは売れなくて苦しみます。
今の時代は、現実の厳しい査定額をしっかりと伝えてくれる不動産会社が良いと思います。実際に売りに出す数字とは、別に考えていけば良いのです。一番いけないのは、そこそこ良い金額の査定額を出し、さらにあなたの期待を上げるような価格で売り出しましょう!という営業マンです。即刻、話を打ち切りましょう。
オリンピック前後には売りたい場合
本題に入ります。売れなくても問題がない人は、ラッキーな事があるかもしれませんので、今のスタンスを続けも良いと思いますが、売りたい!という人はどうしたら良いでしょうか。
ピークは過ぎました。
あなたが目にしたピーク時の事例で査定した金額からは一旦頭を切り替える必要があります。現実は厳しくなってきています。欲を出さず、納得する売却を目指してください。
まずは、査定額に販売価格を設定し直しましょう。査定額なら良いではないですか?しかもピーク時です。
いまだに、ピーク時の査定額から上乗せして販売している物件も多くありますので、今がチャンスと言えます。
値引きが入るから、少し高くしておく。案内が入っているから、価格を下げる必要がない。◯月までは、このままの価格でいきましょうと営業マンに言われた。チャレンジ価格からスタートしましょうと言われた。など、査定額より高めに設定していると痛い目にあう状況になっています。
早めに売り抜ける人が勝ちます。
ピーク時の査定額で良いので、査定額に価格を下げましょう。
後手になり、他の部屋や周辺が下がってきてからでは遅いのです。もっと下げる事になります。
例えば、査定が4500万円、現在の販売を4880万円にしている場合、周りの4〜5物件も4800万円前後で販売していると思います。最初にあなたが4500万円でにしておけば、4500万円で成約でき売りに逃げる事ができますが、後手になり、先に他の類似物件が4500万円で成約した場合、その他の類似物件も下げてきます。そうなると残りの物件は4500万円での比較が始まり、更に価格を下げる交渉をされる事になります。
そして、それの4500万円の均衡を破り4200万円での成約が始まり、そして4200万円の価格で販売競争が起こり、そして4000万円になり・・・という図式になってきます。
アベノミクス前、オリンピック決定前にそのような現象をみてきました。
タワーマンションは特に注意
類似したお部屋が多くあるマンションは特にこのような競合が多く存在しますので、私の言う事が現実になる確率が高くなります。逆にいうと、類似した物件の多いタワーマンションでは有効な手段とも言えます。
今の価格にしがみつかず、価格を下げる事を検討してみましょう。
最後に
本当に売らなければいけない人は、最終的に不動産業者(買取業者)に売る事になりますが、査定額の7割、よくて8割でしょう。先程の事例であれば、査定4500万円の場合、7割3150万円・8割3500万円です。
であれば、実際に現金が欲しい、現金化しなければならない3ヶ月前(3ヶ月とは、販売期間1ヶ月、買主のローン手続きで2ヶ月の合計)には価格の設定を、査定額以下にして、それ以下の4200万円でも4300万円でも売却してしまう方がお得です。
欲張らず、納得できる範囲の中の高額売却を目指す時代に入ってきたと思います。皆様の売却活動が納得できる事を切に願います。
宅地建物取引士 売却プランナー関谷健